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STORY
(先輩社員の声)

一つのプロジェクトで培った開発と技術営業の経験がスペシャリストの地盤になる。

東洋濾紙株式会社 濾紙開発部 係長 湯浅 裕一

社歴
2004年度入社

困難な検証を乗り越えなければならない、お客様の要望に応えるための製品開発。

それは、大手飲料メーカーの製造用フィルターに対する要望から始まった。要望に対する自社製品は存在しなかった。「除菌性能LRV7以上という条件で、かつろ過寿命が長いフィルターを作って欲しいというご依頼でした。」現在競合他社製品を使用されており、何としてもお客様の要望を叶え自社製品が採用されるべくプロジェクトはスタートした。
通常、製造用フィルターの切替えは、顧客サイドでの飲料の味や安全性の検証作業が必要なため、生産に問題がない限り切り替え要望はあまり発生しない。
今回は、営業サイドの粘り強いお客様へのアプローチにより獲得した、千載一遇のチャンスであった。
プロジェクトスタート当初、東洋濾紙㈱濾紙開発部に所属し、開発を担当した湯浅は語る。「営業サイドが取ってきた貴重なチャンスであり、必ず開発を成功させようと思いました。お客様が要望する性能を保証するための設計や最適な条件の検証作業に苦労しました。」

プロジェクトを成功に導くのは熟練した技とチームのコミュニケーション力。

「特に苦労したのはろ過するためのポアサイズ(孔径)の緻密なコントロールです。」細かいポアにすれば不純物を除去することができるが、その分ろ過寿命が短くなる。逆に大きなポアでは除去しきれない。熟練した「技」が必要だった。適切なポアサイズかつバラつきを小さくするために検証を繰り返し繰り返し行った上で、リスクを潰していった。上司や部門内コミュニケーションも大切にした。「色々な人に意見を聞いたり、意見をぶつけ合うことで、新しい発想が生まれる。だから、プロジェクトの成功にはチーム力が大切なんです。」

お客様でのろ過寿命実験、官能試験を経て、実機での初回テストが終わった2週間後、大きな転機が訪れる。技術営業(アドバンテック東洋㈱)に異動になったのだ。「志半ばな思いは否めなかったですが、開発として関わっていたプロジェクトに技術営業として関わることになったんです」分析した結果を技術営業として直接お客様に報告する。顔を見て話が聞けるから、その場で求めているものがダイレクトに伝わる。よかったよと言ってもらえる。初めての経験だった。開発として、技術営業として、両方を経験する中でテストを重ね、開発した製品が採用された時の喜びは人一倍だった。

スペシャリストは経験の積み重ねで作られる。やりがいこそがチャレンジを続けるための原動力になる。

開発と技術営業。両方の側面からのやりがいを湯浅に訊ねた。「開発は自分で一から設計できるというところがやりがいです。改良するにしても、自分でやればやるほどいいものになっていくから面白い。技術営業は直接お客様の顔を見て声を聞くことができるところ。よかったよと言ってもらえたことが数字に残るのがやりがいですね。お客様も喜ぶ、営業所も喜ぶ、自分も嬉しい。それを肌で感じることができます。」湯浅はどんなポジションになってもやりがいを見つけて色々なことにチャレンジしているのだ。そして、2年間の技術営業経験を経て、現在湯浅は、濾紙開発部に戻った。技術営業になったことで聞けたお客様のたくさんの「現場の声」。吸収した「現場の声」を今度は開発としてより良い製品作りに繋げる。「色々なことを経験することでスペシャリストになれると思うんです。」開発に戻ってその声を形にすべく、まだ見ぬ製品を作るためのチャレンジを続ける。そしてまた、やりがいこそがチャレンジを続けるための原動力になるのだ。「就職希望者の皆さんにも入社したらやりがいを見つけて色々なことにチャレンジしながら、楽しく仕事をしてほしいです。そのために先輩や上司が支えるし、そういった環境がここには整っています。」湯浅に続く人材をアドバンテックは待っている。

ユーザー、営業、製造の声を聞き何度も挑戦を続ける。すべては、プロジェクト成功とその先にある未来のために。

株式会社東洋製作所 理化開発部 筧 俊昭

社歴
2013年度入社

製品のクオリティとコストのバランスを取りながら、今までになかった研究用 純水製造装置を開発。

営業サイドの要望に基づき、ラボ用純水製造装置の新製品開発プロジェクトが始動。自社のラインナップにこれまでなかった製品で、水質は微量分析に使用できるレベルのA4(JIS K 0557)を守りながら、いかに製造原価を下げるかが与えられたミッションだった。
言葉にするのは簡単だが、市場に望まれる競合他社製品と異なるものを作ることは決して容易ではない。
開発者にとって製品のクオリティとコストのバランスを取りながら製品を産み出すことは、プロジェクト終了後も永遠に続くミッションである。

過信をしないこととコミュニケーションの活性化がプロジェクトを成功に導く。

「わからないことは何でも、きちんと確認しながら進めること。」このプロジェクトで筧が大切にしたことの一つだ。プロジェクトを進める上で問題になるのは、当たり前に聞こえるかもしれないが『大丈夫だろう』という過信である。過信は次の工程の足かせになることもある。プロジェクトには多くの人が関わる。一人でできないこともプロジェクトでは達成できる。だからこそ、コミュニケーションを活性化して、何でも何度も話し合い、確認しあいながらプロジェクトを進めた。

大きな壁にもぶつかった。「試作機をユーザーに貸し出し、モニターしていただいたところ、ユーザービリティーの面で課題が浮き彫りになりました。水質を簡易的なメーター表示としていましたが数値で表示して欲しいという要望などです。安価で簡易な装置を目指していましたが、お客様はより高機能なものを求められていました」
これまで確認を繰り返し、仕上がった試作がほぼ一から作り直しになってしまった。数値を自動で見られることなどの要件が追加された中でいかにコストを抑えられるか。周りに相談し、新しいアイディアを出しながら、既存の部品を採用したり、新規で基板を作ったり、構造を簡素化し部品や工程を少なくすることなどで最終的にコストを抑えることができた。筐体板金においても、より作りやすくコストを抑えられる構造を、基板業者に確認しつつ設計した。

世の中にリリースされる自分の関わった製品だからこそわからないことは日々の勉強で、できることにする。

いくつもの壁にぶつかりながらも、3年の歳月を経て他社と差別化が図れた製品が完成した。品質を保ちながら、製造コストや本体価格を抑えた。

本体の高さを低くし、操作部を取り外し可能にすることで、フレキシブルな設置を可能にするとともにメンテナンス性も向上させた。プロジェクトに関わるメンバー一人ひとりのアイディアと思いが製品として形になった。「課題や問題を一つひとつ解決しながら徐々に製品として形になってくると、とても達成感を感じるんです。形になった製品を見るたびによかったなって。」プロジェクトを終え、製品が市場にリリースされる達成感は開発者ならではのものだろう。現在、筧は純水製造装置のモデルチェンジに取り組んでいる。次にチャレンジしたいことを筧に聞いた。「基板設計専用のCADを使えるようになることなど、できることを少しずつでも増やしていきたい。まだまだ勉強不足もあるので、実際の作業をしながら自分のものにしていき、様々な研究の助けとなる理化学機器を開発したいです。」との答え。勉強を日々重ねることでできることを増やし、新たなチャレンジに繋げる。筧の毎日こそがチャレンジだ。